ChatGPTを使って9月の米国株マクロイベントをまとめてみた

新NISAの影響で昨年から今年にかけて株式投資をスタートした方は多いと思いますが、最初のころはどのようなマクロイベントがどの程度重要で、どんな株価影響があるのかわかりづらいのではないでしょうか。本業のあるみなさんが限られた時間で投資関連の知識を効率的に身につけるためには、生成AI(今回使用したのはChatGPT)を使える局面も多いかと思います。

今日は例としてChatGPTを活用して、9月に米国株に影響を与えるマクロイベントを一緒にまとめていきたいと思います。内容は基本的なもので、一部最新の情報は自分で取りに行く必要がありますが、初心者の方が短時間で全体感を把握するには十分な内容かと思います。

9月の米国株マクロイベントをまとめる実際のプロンプトとアウトプット

9月に予定されているマクロイベントを日本時間で表形式でリスト化し、考えうる米国株への影響を簡単に説明してください。また、それぞれのイベントに対してコンセンサスや予測値がある場合にはデータ元リンクと合わせて教えてください。(※アウトプット省略。日付のみで日本時間での発表時間なし。FOMC金利政策コンセンサスが据え置きとなっていた)

ありがとうございます!日付のところに発表時間もわかるようであれば日本時間で入れていただけますか。また、FOMC金利政策のコンセンサスは本当に金利据え置き予想なのでしょうか。ほかのソースもあたって検討していただけますか。

日付イベント発表時間(日本時間)予想/コンセンサス米国株への影響情報元リンク
9月5日ISM 非製造業PMI午後11:0052.0 (予想)非製造業の強さが景気拡大期待を高め、消費関連株にプラス。ただし、予想を下回ると株価にネガティブな影響。Trading Economics
9月8日雇用統計(Non-Farm Payrolls)午後9:3015万人(予想)強い結果ならFRBの利上げ圧力が強まり株価にマイナス。弱い結果なら、利下げ期待から株価にプラスの可能性。New York Fed
9月13日消費者物価指数(CPI)午後9:303.8% YoY(予想)インフレが予想以上ならFRBの利上げ継続が懸念され株価に圧力。逆に、インフレ低下なら利下げ期待で株価上昇。Cerity Partners
9月14日小売売上高午後9:300.3%増(予想)消費が強ければ経済成長期待で消費株にポジティブだが、弱ければリスク回避ムードで株価にマイナスの可能性。Trading Economics
9月18日FOMC 金利決定会合午前3:0025bpの利下げ予想(最新)利下げが開始されれば、成長株やリスク資産が好調に。ただし、利下げが控えめなら市場は失望し、株価が抑制される可能性あり。CME Group, Investopedia
9月29日Q2 GDP(改定値)午後9:303.0%成長(予想)成長率が予想通りなら成長株が好調。予想を下回るとリスク回避が進み、株価にマイナスの影響が出る可能性。Trading Economics

アウトプット感想・よりよいプロンプトを作るための5つのコツ

いかがでしたか。何度かプロンプトを修正しながら使い方を調整してみたところ、イベントとしてはほぼ網羅されている状態となりました。ただ、リアルタイムで意見が割れている事柄(FOMCの政策金利引き下げ幅の予想)に関しては、多面的な意見を収集する能力には限界があると感じました。使い方としては近い将来のマクロイベントと株価に対するインパクトの方向性をざっと把握し、重要そうなものに関しては自分で追加の情報収集を行う形がよさそうです。このレベルのアウトプットにたどり着くまでのプロンプトのコツをあえてまとめるとしたら以下かなと思います。

  1. 具体的な質問をする:具体的なタスク内容、制約条件(日本時間かどうか等)、アウトプット形式、背景情報等を明確に指定することで満足できるアウトプットに到達するのが早くなります。
  2. 信頼できるソースを指定する:生成AIはインターネット上のデータに依存しているため、特定の信頼性の高いソースを指定することで、質の高い情報を得られます。具体的なニュースサイトやレポートの名前を挙げると良いでしょう。
  3. 最新情報を自分で補完する:AIは過去のデータに基づいて答えるため、最新の情報(意見の割れているマクロイベントの最新コンセンサス等)は手動で確認する必要があります。
  4. 異なる視点を求める:一つの事象に対して複数の視点を求めるプロンプトを設定することで、よりバランスの取れた見解を得られることがあります。「異なるシナリオに基づいた見解を教えてください」などの質問が有効です。
  5. 試行錯誤を重ねる:最初のプロンプトで完璧な回答を得るのは難しいことがあります。プロンプトを何度も修正しながら最適化していくことが重要です。

結論

ChatGPTのような生成AIは、投資初心者の人が全体の大枠を時間をかけずに把握するのに適していると思います。ただ、コンセンサス予想など信頼性の高い情報が必要な場合は、自分で信頼できる情報源をチェックすることがまだまだ必要だなと思いました(少なくとも数字関連はかならず「ソースも入れて」とプロンプトに書くようにしています)。

私はもともとバイサイドの株式アナリストとして働いていましたが、株式アナリストの業務の8割くらい(株式のスクリーニング、ショートリストの作成、ショートリスト先の基礎的な財務分析や仮説構築)は正しい経済データをフィードできさえすれば近い将来生成AIで自動化されると思っています。

生成AIにインプットできる形で個別株のデータがどれだけとれるか試行錯誤中ですが、次回の記事では、個別株のファンダメンタルズ分析をChatGPTでどこまで行えるのかを試してみたいと思います!

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